2002.6
第6号
8P
ダイジェスト
目次
 
支店経済の街仙台が盛衰の岐路に立たされている。工場の海外移転による産業の空洞化、高度情報化に伴う本社支店機能の首都圏シフト、さらにはベンチャーマインドに欠ける企業風土などがその要因だ。繁栄の基盤が揺らぎつつある仙台市の現状を探ってみた。

 「支店経済」に関して言えば、仙台市内の全従業者数は平成11年度で約48万人で、このうち支店従業者は約36%を占める。ところが、不況により大企業がリストラを行なったことから、3分の2の会社が支店の人員を削減。支店予算を10%以上削減した企業は全体の4割以上に上っている。

 長らく「支店経済」の恩恵の下で発展してきた仙台にとって、こうした長引く不況と情報化の進展が同時に襲ってきたことは、死活問題になる。消費と雇用という二大要素を同時に失うことになりかねないからである。
(中略)
 一方、仙台市経済のもう一つの特徴である「卸売商業機能」もまた、低落傾向に拍車がかかっている。
 仙台市の年間卸売販売額はこれまで東北地方全体の40%以上も占めていた。「商都」と呼ばれる所以である。ところが、流通革命や流通機能の改善効率化によって、今では37%台にまで低下してきている。また、前述した事業所数の削減傾向の中でも、卸売業など商業分野の廃業率は9.2%と著しく増加している。仙台自慢の卸売商業機能の中枢性が確実に低下してきているのである。
(中略)
 こうした支店経済商業機能の双方が危機に直面したことでわかるのは、仙台の経済基盤が時代の流れに左右されやすいほど脆弱であり、同時に産業構造がいびつなほど偏っているということである。
(中略)
 この地元の産業育成の立ち遅れという点では、金融機関の消極さも挙げられる。
(中略)
「金融機関は地域経済の牽引車としての役割を求められている。だが、現実にはその期待に応えているとは言い難い」とある経営者は語る。
 地元金融機関の企業育成に対する姿勢が、仙台経済の衰退の要因の一つになっていることは否定できないだろう。
 そして、こうした金融機関の消極性があるからなのか「仙台は起業家精神にも乏しい」(中央企業の経営者)と指摘されている。
(中略)
この「進取の機運のなさが、仙台の風土として定着した嫌いがある」(地元経営者)という声は少なくない。永年にわたって築き上げられてきた支店経済の中で、「保守性」や「堅実性」という気質風土が蓄積されたとすれば、この壁は高く、厚く、これを取り除くことは容易ではない。
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