浅野史郎知事の号令一下、県庁職員の給与カットを財源に当てるという前代未聞の手法で進められた「緊急経済産業再生戦略」。その後どうなっているのか、ほとんど報じられていない。昨年5月の計画発表から1年余を経た今、その進捗状況をお伝えしよう。
計画発表から1年余。県産業経済部はこれまでの進捗状況を発表した。「再生戦略」の総事業費は約614億円で、16プロジェクト・75事業を実施する計画。昨15年度は45億3千万円を投入し、このうちの10プロジェクト・36事業を着手した。「再生戦略」の大きな目的は雇用創出のことから、ここではその点に絞って記してみる。
@雇用創出実績数
・水源資源の豊かな森林づくり事業
144人(計画目標90人)
・離職者等雇用機会創出促進事業
26人(計画目標10人)
・森林資源活用パイロット事業
26人(計画目標24人)
・学級編成弾力化事業
講師171人を採用
A企業誘致数
14社(計画目標6社)
県が当初見込んでいた雇用創出数は360人。それからすれば367人の実績数は目標を上回っており、「再生戦略」の初年度としてはまずまずの成果を上げたと思われるかも知れない。県も「各事業とも順調に進んでいる」と述べている。
しかし、果たしてそうだろうか。

そのことを示す格好なものは「若年者の就職支援のためのワンストップセンター設置事業」だろう。これは若年者の職業訓練を斡旋するもので、今年4月16日に仙台駅前のアエルビルに「ジョブカフェ」を開設した。求職登録した若者は、さる5月末時点で約720人。だが、就職に結びついたケースは今に至るまで1人もいないという
現状である。
また、企業誘致数も先に記したように、目標値の2倍以上になってはいる。だが、肝心の雇用人数は県の目標の600人に対して、14社が見込んだ合計は200人と大きくかけ離れているのだ。
県は「再生戦略事業」を通して、平成17年度末までに1万5440人の雇用創出を目標に掲げている。そのうち今16年度は総事業費の半分に匹敵する約297億円を投下して、8470人の雇用を見込んでいる。
しかし、県が如何に懇願したとしても、最終的に雇用数を判断するのは個々の企業である。一部の中央・大手企業を除き、大半の企業は景気・経済が上向いてきたとは実感しておらず、そのため工場進出・雇用を差し控えている傾向が強い。県内企業もまた中小企業が多いことから、リストラすることはあっても雇用できる状況には程遠いのが現状である。