県が進めている「緊急経済産業再生戦略」に伴う県職員の給与削減に対し、県職員組合・県教職員組合・県高校職員組合から成る「三者共闘会議」は9月8日、仙台地裁に提訴した。県職員労組が県を相手取って法廷闘争を行なうという前代未聞の行動に踏み切らせたものは何か。その要因となる労使交渉の経緯、浅野知事の姿勢・手法について、改めて振り返ってみた。

県庁職員が使用者であるところの知事に対して裁判を起こし、その行為の黒白を法廷で決する──県政史上初、前代未聞の出来事であり、恐らく日本の自治体の中でもこうした例は皆無に違いない。それだけ浅野知事の手法に職員たちは業を煮やしていることを物語ろう。
事実、9月8日、仙台地方裁判所への訴状提出の直前に開かれた「三者共闘会議 訴状提出総決起集会」では、知事を批判する発言が飛び交った。
「初めに給与カットありきで、知事の言動は不誠実。その独善的手法
は県議会・県職員から批判されているが、知事は反省のかけらもない」「知事のやり方は横暴で、職員は怒りと不信感でいっぱいだ」「職員に対して愛情のかけらもない知事の下では、県職員としての誇りがもてない」「都道府県が職員給与を削減しているのは財政再建のためがほとんど。宮城県のように新規事業の財源
に充てられるのは例がない。しかも今回のような人事委員会勧告にも、労使合意にも基づかない給与カットは極めて異例で、全国でも稀れにみる悪質な姿勢・手法だ」
提訴を決断した理由について、三者共闘会議の佐々木永一議長は次のように述べる。
「これまで3度にわたる賃金カットが同じ手法で行なわれていること。特に今回は今年1月19日の最終交渉の中で、知事は一方的に席を立ち、交渉を打ち切ってしまい、労使合意に基づいたものではない。そのため組合員には煮えたぎる怒りがあり、このまま黙って引き下がるわけにはいかないと判断した。実際、労働組合の社会的使命からしても『浅野知事をその手法も含めて許してはおけない』という声が澎湃と沸き上がっている。三者共闘会議がこれまで知事と闘ってきたことからすれば、提訴は当然の帰結だと思う」