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中村工業梶uほやあんどん・ほやツリー」
 今やIT、電子商取引の時代だという。だが、煎じ詰めればじこれらは道具でしかなく、活用の前提には優れた商品が不可欠である。かつて日本人は「ものづくり」を尊び、その技術が日本経済 を支えてきた。今、その精神は失われており、宮城県も「ものづくり」を忘れかけている感がある。小紙は今一度「ものづくり」の精神を蘇らせたい と思い、今号から「宮城の匠たち」と題し、シリーズで県内企業の商品開発にスポットを当てることにした。第1回は中村工業鰍フ「ほやあんどん・ほやツリー」である。

 「海のパイナップル」と言われ、独特な風味をもつ「ほや」。「ほやあんどん」はこの「ほや」の殻を乾燥させ、中に入れた豆電球を灯したもの。オレンジ色のあたたかみのある灯りは、「あんどん」の名の通り、何とも言えない風情がある。中村工業梶i本社・石巻市、小林寛治社長)は土木・建築・電気など各種工事を営む総合建設業。固い業種から縁遠いユニークな製品を手がけたのは、一種の公憤から。
 「活気が薄れてきている石巻を何とか刺激したい。それには石巻で自慢できるものがあればいいのではないかと思って、閃いたのが『ほや』でした。全国の『ほや』の70%は宮城県産で、中でも南三陸海岸がトップシェアを占め、石巻は特に漁獲量が多い。ところが、数年前から気仙沼市に追い上げられている。特産品の『ほや』を大切にし、アピールすることが石巻のアピールにもなると」(小林社長)
 『ほや』の殻など、これまで誰も見向きもせず、捨てていたし、無尽蔵にある。しかも、形は1個ずつ微妙に違い、「自分だけの思い出の品」になる。
 第1弾として「ほやあんどん」を売り出したところ、みやぎ国体の開催もあって、おみやげ品として好評を得た。第2弾にはクリスマスツリーを模した「ほやツリー」を商品化。この後、秋田の竿燈に見立てた「ほや竿燈」、さらにはドーム型にフレームを組んで、195個のランプを取り付けた「ほやドーム」も製作した。これらのユニークな商品が認められ、平成13年度「第5回みやぎものづくり大賞」のデザイン賞を獲得した。
 もっとも、小林社長によると「製作には意外に手間がかかり、赤字です。これを第2の事業にする気持ちは全くないし、石巻を知ってもらえればいいんです」と、あくまで採算を度外視したボランティア精神に徹している。モノクロの小紙では、そのよさが伝えられないし、カラー写真でも風情は味わえない。興味のある方は石巻に出かけて見ることを勧めたい。
 値段は、ほやあんどん(800円)、ほやツリー(5000円)。
問い合わせは中村工業梶iTEL0225−22−6225)まで。

(2002-06)

第6号
7ページ
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