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テレビ局は報道番組をつくれないのか?

 民放のテレビ局が自社制作番組を放送するようになって、早や5年余りになる。それまでは番組供給と広告営業のほとんどをキー局に依存していたが、バブル崩壊後の景気低迷でキー局の経営体力も弱まったことから、地方局は独自の経営努力を迫られ、その一環として自社制作番組を手がけることになったものである。夕方のニュースや、県内各地の風物を紹介する番組などを見ると、放送のレベルはキー局に劣らないほどになっていると言えるだろう。
 だが、それは技術的にレベルがアップしたというだけで、肝心の番組の質はどうかというと、依然として代わりばえしていないように思われる。ジャーナリズムにおけるテレビの役割は、言うまでもなく報道の速さと、視聴者の耳目に訴える伝達の表現力の強さにある。
この点は新聞・雑誌がどう頑張っても太刀打ちできないものだ。つまり報道機関としてのテレビは、その構造からして紙媒体を凌ぐ性質を備えて誕生したものだと言える。
 ところが今に至っても、NHKを含めた県内のテレビ局は、ニュースを除けば、独自の報道番組をつくっていないし、つくろうという意欲すら見えてこない。唯一あるのは仙台放送の「キャツチ」だけである。
 テレビ局の人間は「夕方のニュース枠や週1回の番組で放送している」いうかも知れない。だが、あれは報道ではない。単にきょうの出来事を伝えているだけである。また、店の紹介や料理、町の風物を伝えるのは、情報提供でしかない。雑誌で言えばタウン情報誌であり、現在テレビ局が放送しているのは、これと少しも変わらない。これをもって報道番組だというなら、笑われるだろう。
 キー局がこうした安易とも言える情報番組やバラエティ番組を放送してから、10年近くになる。すでにマンネリ化しており、視聴者も飽きているが、このことをテレビ局の人間は感じていないのではないか。そのキー局の悪い面を地方局が真似する必要は少しもない。
 しかも、今ほど報道番組が求められている時代はない。国の舵取りをどうしていくのかということはもちろん、県内にあっても県財政の危機的状況や、地域医療・福祉の在り方、地域経済の活性化をどうするかなど、課題が山積しており、これらは県民の生活に大きく影響する問題ばかりである。これらのテーマについて取材・分析した番組を提供することが、報道機関としてのテレビの役割だと思うが、そうした番組がないというのはどういうことだろう。
 実際、NHKや民放各局は日曜日の午前中にこぞって報道番組を放送しており、多くの人に見られている。それだけ関心が高い証左である。
 民放の地方局は「地方からの発信」「地域に密着したテレビ局と番組づくり」を掲げている。ならば、最も必要とされ、重要な役割である報道番組を強化すべきだと思うが、いかがなものだろう。

第4号
(2002.新春)
8ページ
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