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「認諾」とは被告が原告の請求を認めるという 意味の法律用語です。通常は訴訟の冒頭又は早い時期に行われます。これによって訴訟が原告勝訴の形で確定する訳ですから、原告としては文句があるはずがない訳です。
しかし、本件に限っては、 原告である我々仙台市民 オンブズマンとしては喜ぶどころか、「何と姑息な手段をとることか」呆れ果てた訳です。
事案は以下のとおりです。我々は平成12年9月に、平成六年度、7年度の宮城県警総務課の外出張旅費のうち、カラ出張の疑われる出張旅費につき、3名の県警職員(いずれも課長職)を被告として合計約150万円の返還を求める住民訴訟を提起しました。この事件については以後1年半の間、カラ出張の有無を巡り激しいやり取りをし、被告3名の本人尋問
も終了していました。残すは、記録上実際に出張したとされているS職員の尋問のみという段階でした。我々はS氏に対する尋問準備を万端整え満を持して法廷に臨もうとしておりました。ところが、その尋問期日の直前になり突然3名の被告が揃って原告の請求を認諾し、金150万円を宮城県に返還してしまったのです。通常であれば、遅まきながらも我々の請求が認められた訳ですから万々歳ということですが、
本件では全くそうではな かったのです。理由は以下のとおりです。
被告らによれば、請求を認諾したのは「これ以上裁判を続けて個人の生活や家庭を犠牲にしたくない」、被告代理人によれば「カラ出張を認めた訳ではない」というのです。しかし、これらは全く納得できない言い分です。何故なら、そのような理由であるならば、訴状の提起された当初に認諾していたはずだからです。我々には、被告らが何故このような異例の手段をとったのか明らかでした。それはすでに採用され尋問期日の迫っていたS職員が証言のための
出廷を拒んだからに違いないということです。S氏によれば、証言台に立てば、@出張の目的(必要性)A出張先で誰に会って何をしたのか、Bどこに泊まったのか、C出張した結果を誰に報告し、それをどのように話したのかとの点について具体的に証言しなければなりません。しかし出張した事実がない以上@〜Cをねつ造し偽証せねばなりません。S氏の苦慮は察して余りあるものです。
被告3名もそれを見るに見かね、S氏の出廷回避の手段として認諾の挙にでたものです。同時にS氏が出廷してカラ出張が明らかになってしまう危険性を避けた訳です。「何を姑息な!」というのはこういうことです。
来年仙台市民オンブズマンは結成10周年を迎えます。このような事例に接していると、我々の活動はまだまだ続くなあという思いと、ようやくここまで来たなあという感慨を覚えます。
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